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2015.05.26 Tuesday

Mはじまり

ふと気づいたらまわりにMはじまりのひとたちが多い事に気づいた。

M上、M浦、M井、Mル、M、、と、そんな感じである。皆率直にモノ申すひとたちで不思議なのが会話をしていると共通の知り合いが出てきたりする。あれ?知り合いだったの?とピンポイントでなぜか被ってくるのだ。そんな発覚の比率が妙に多いのがM井君である。

被ってくる人物は「吹奏楽の楽譜を集めているけどこの人知ってる?」「ああ知っている、つか同級生だよー」という地味レベルから最近「Yミさんの息子と繋がったんだよー」「えー!あの四谷のAズロ(伝説のフェティッシュショップでなぜか一時私らに衣装を全て提供してくれてた)のYミさんの?元気?」、とまあこんな感じだ。

M井君自身ももちろん凄く濃い人物なのだが同業者ゆえエキセントリックオペラの最初のアルバムで知り合ったもののあまり深くをお互い知らずにかれこれ長くおつきあいが続いている。

知り合った当時90年代だし世はハウス全盛期だった。諸国放浪活動していた私のドアングラな作風を「C&C Music Factry」ぽく、せいぜい「Malcolm McLaren」のOpera House!くらいな感じにして売れなさい!と無理難題を言い渡され最初のエキセントリックオペラアルバムは正直訳わからず作ってた。そこでハウスならこのひと!とM井君が一曲アレンジで参加してくれたのだが、決して私が出せぬノリのいい分離のいいリズムトラックをその場でホレホレ、サクサクとスタジオで作ってしまってあっという間に一曲歌入れ完成して「じゃ!」と去って行った。ひょえーヤツは神か、、であった。

たまたま事務所とM井邸が近かった事もあってたまに「すごい上手な子の歌聴くぅ?」と当時デビュー前のミーシャの歌を聴かせてくれて御丁寧に缶ジュースまで出してくれたり(もちろん付き人に出させた)。どこぞやのスタジオでキックやらスネアやら一発ずつ録音したネタをM井邸でサンプラーに選り分けて取り込む作業(こういう地道な作業があのノリを作るのねえと当時感動)を呼びつけた私に関係なくやってくれたり、放送禁止用語だけで会話してれたりと圧巻の存在感を放ちつつ被る事ない仕事でやや疎遠にというかM井君はおそらくバカ売れっ子で忙しかったのであろう。

ようやくその存在もうっすら忘れてエキセントリッックオペラもあっと言う間に解散し私もソロの二枚目を出した頃に「かきあげ確か渋谷(在宅)でしょ、ちょっと来ない、エビピラフ食べてるから」と隣のホテルから呼び出しがかかり行ってみればエビピラフのエビをすべて皿の脇に置いてただのピラフを食べてるM君が相変わらず異彩を放っていた。ひさしぶりの割にしょうもない世間話をして「psalm」を渡してまた〜と別れるとしばらくして電話があり「俺さあ曲作っているから仮歌入れて送ってー」と、ようやく役割分担ができなんだか歌手になったみたいで嬉しかったものだった。そうそう苦しい曲作りなく歌だけ歌う役割というのは楽しすぎる。

その曲は昨年M井君オリジナル曲集と「東京女子流」の二枚組で出た「Mirrorball Flare + Royal Mirrorball Discotheque 」のM井君オリジナルサイドでリリースされた。その後もM井君のデモ曲に声入れる修行は続き、何週間か前に「甥っ子がさあダンスミュージックと現代音楽のみのレーベル作ったからこの間歌ってもらった曲ご祝儀でだしとくねー」と「御中レコード」の「MAS30」として一曲。じゃあ私もご祝儀一曲という事で現代音楽ぽいやつといえばリズムないやつかなあ、と一人アカペラの「choral」を。

よくふりかえってみれば自分名義で出したのは久しぶりだったらしい。こうやって何の作為的な気持ちもなく作ってるからじゃあ出すか、というノリは環境の整った今だからこそだろう。しかしまあM井君も自身の多彩で派手な仕事とは別に常に自分の世界を作り続けているから素晴らしい。私もずっと曲は日課のように作り続けているからけっこう中途半端なストックがある。どんなアルバムにしようかとか、企画がどれどれだから、とかまるで関係なくただ作っている曲たちだ。

イケイケの時代も終わり作りたい人が作ってコソっと披露し、聴きたい人が「あら?」と手に入れて聴く、そういうシンプルな経路を持てる世の中になっている。ふと、気軽にこのまんまストックを月1ペースくらいで気軽にポロっと世に出して行くのもいいのかもねぇ、とM井君のおかげで思ったのであった、ぞ、と。

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